リヨン中心部から歩いて行ける場所に、105ヘクタールという広大な敷地を持つ公園があります。テット・ドール公園(Parc de la Tête d'Or)は、フランス最大級の都市公園でありながら、園内の湖もバラ園も動物園もすべて入場無料。歴史と美食の街というリヨンのイメージとはひと味違う、緑と動物とゆったりした時間を楽しめる場所です。

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この記事を書いた人
リヨン出身のフランス人。日本在住。日本人旅行者向けに、実際の現地情報をわかりやすく紹介しています。
テット・ドール(黄金の頭)という名前の由来
「テット・ドール」とはフランス語で「黄金の頭」という意味です。その由来には伝説が残されています。かつて十字軍の騎士、あるいは異民族がこの地に財宝を埋めたとされ、その中に黄金製のキリストの頭部像が含まれていたという言い伝えです。実際に黄金の頭部像が発見されたという記録はありませんが、このロマンあふれる伝説が公園の名前として今も残っています。
1857年開園——「自然を持たない人々に自然を」
公園の歴史は1856年、当時の知事クロード=マリウス・ヴァイスが、リヨン救済院(Hospices Civils de Lyon)から土地を買い上げたことに始まります。ヴァイスが掲げたのは「自然を持たない人々に自然を与える(donner la nature à ceux qui ne l'ont pas)」という理念でした。設計を手がけたのは、造園家として知られるスイス人兄弟ウジェーヌ・ビュレール、ドニ・ビュレール。工事が完全に終わる前の1857年、公園は一足先に開園しました。以来160年以上にわたり、リヨン市民の憩いの場であり続けています。
湖と4つの島——ボート遊びで楽しむ都会のオアシス

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公園の中心を占めるのが、ローヌ川の分流を利用して造られた人工湖(約16〜17ヘクタール)です。湖にはグランディル(大きな島)、イル・デュ・スーヴニール(追悼の島)、イル・デ・タマリ(船でしか行けない島)、イル・ガンディーという4つの島が浮かび、夏には貸しボートで湖上散策を楽しむ人々の姿が見られます。
貸しボート
料金:30分 18€/45分 25€/1時間 32€(大人2名+子供3名、または大人3名+子供2名まで)
営業日時:水・土・学校休暇期間 10h〜18h30、日・祝 10h〜15h(天候による)
必要なもの:身分証明書、保証金20€
無料の動物園——400頭以上、50種を超える動物たちに会える

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公園内には9ヘクタールの敷地を持つ動物園があり、こちらも入園無料です。キリン、アジアライオン、メガネグマ、アムールヒョウ、ハートマンヤマシマウマ、レッサーパンダ、フラミンゴなど、400頭以上・50種を超える動物が飼育されています。絶滅危惧種の繁殖にも力を入れており、キリンやアムールヒョウの誕生がたびたびニュースになっています。
動物園
入園料:無料
開園時間:1月〜4月中旬・10月中旬〜12月 9h30〜17h/4月中旬〜10月中旬 9h30〜18h30
定休日:毎週火曜日
バラの楽園——世界でわずか22ヶ所の「大阪賞」受賞ロズレ

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テット・ドール公園には、実は3つのバラ園があります。中でも1960年、当時の市長ルイ・プラデルの発案で造られたロズレ・アンテルナシオナル(国際バラ園)は、5ヘクタールの敷地に450品種・約16,000株のバラが咲き誇る、フランス屈指の規模を誇るバラ園です。2006年には大阪で開催された式典で「エクセレンス」の称号を授与されており、これは世界でわずか22ヶ所の公園にしか与えられていない栄誉です。見頃は5月末から6月にかけて。国際新品種バラコンクールの会場にもなっています。
植物園と大温室——マダガスカルの熱帯植物まで
公園の一角には無料の植物園が広がり、屋外庭園に加えて3つの温室(総面積約6,500㎡)があります。中でもマダガスカルの熱帯植物を集めた温室は、リヨンにいながら異国の植物相に触れられる貴重なスポットです。屋外庭園は8時〜17時(夏季18時)まで、温室は午前・午後の決まった時間帯に開館しています。
子供と一緒に——プチトラン、メリーゴーランド、ギニョール劇場
家族連れにもテット・ドール公園は人気です。園内を周遊するプチトラン(小さな観光列車)、1930年にアンジェで製造された年代物のメリーゴーランド(ミッキーやドナルドなど懐かしいキャラクターが並びます)、そして1948年から続くギニョール人形劇場まで、子供が飽きずに楽しめる仕掛けが揃っています。芝生広場や遊具エリアも充実しており、ピクニックにもぴったりです。
アクセスと歩き方
公園の外周は約3.8km。ウォーキングやジョギング、サイクリング、ローラースケートを楽しむ地元の人々の姿が一年を通して見られます。
テット・ドール公園
開園時間:4/15〜10/14は6h30〜22h30、10/15〜4/14は6h30〜20h30(閉園15分前までに入園)
入園料:無料(動物園・植物園・バラ園もすべて無料)
アクセス:メトロA線「Masséna」駅または メトロA・B線「Charpennes」駅から徒歩、トラムT1・T4「Charpennes」停留所からも徒歩圏内
公式サイト:loisirs-parcdelatetedor.com
訪問のヒント
- お隣のシテ・アンテルナシオナルへ:公園に隣接する現代建築群シテ・アンテルナシオナルには、リヨン現代美術館(MAC)があります。あわせて訪れるのがおすすめです([リヨンの美術館・博物館ガイド]参照)
- 動物園は火曜定休:訪問日を決める際は要注意
- ピクニックOK:芝生エリアでの飲食は自由。レ・アル・ド・リヨンなどで食材を買い込んでいくのも一興です
- バラの見頃は5月末〜6月:この時期に合わせて訪れると、ロズレが最も華やかです
よくある質問
入場は本当に無料ですか?
はい。公園自体はもちろん、動物園・植物園・バラ園もすべて無料です。有料なのは貸しボートや飲食店の利用のみです。
どのくらいの時間があれば楽しめますか?
動物園を含めてじっくり回るなら2〜3時間程度、公園を軽く散策するだけなら1時間程度でも十分楽しめます。
雨の日でも楽しめますか?
温室のある植物園は屋内なので雨天でも安心です。動物園も一部屋内展示があります。ボートの営業は天候により中止になる場合があります。
動物園にパンダはいますか?
ジャイアントパンダはいませんが、レッサーパンダ(アカパンダ)を見ることができます。
子供連れにおすすめの時間帯はありますか?
午前中の涼しい時間帯は動物も活発に動きやすく、混雑も少なめでおすすめです。
まとめ
テット・ドール公園は、フランス最大級の広さを誇りながら、すべてが無料で楽しめるリヨン随一の癒やしスポットです。
- アクセス:メトロA線「Masséna」駅、またはA・B線「Charpennes」駅
- 外せない3点:無料動物園・国際バラ園・湖のボート遊び
- 狙い目の季節:バラが見頃を迎える5月末〜6月
歴史とグルメを堪能した後は、テット・ドール公園でゆったりとした時間を過ごしてみてください。




