リヨンの美術館・博物館ガイド|フランス第2位の美術館から映画発祥の地まで

リヨンはパリに次ぐフランス第2位の美術館都市とも言われます。ルーヴルに次ぐ規模を誇る美術館、映画発祥の地となった博物館、大戦の記憶を伝える資料館まで、ジャンルも規模も多彩なミュージアムが揃っています。観光の合間に1〜2館訪れるだけでも、リヨンという街の奥行きがぐっと深まります。

絵画が並ぶ美術館のギャラリー(イメージ)
写真:Pexels

この記事を書いた人

リヨン出身のフランス人。日本在住。日本人旅行者向けに、実際の現地情報をわかりやすく紹介しています。

目次

① 美術館・博物館めぐりの前に知っておきたいこと

リヨンの主要ミュージアムの多くは月曜定休(一部火曜)で、入場料は6〜12€程度と良心的です。複数館をまわるなら、リヨン市が発行する観光パス「リヨン・シティ・カード」を使うと、対象ミュージアムに無料または割引で入館でき、さらにTCL(メトロ・バス・トラム)も乗り放題になるためお得です。

以下、リヨンを代表する6つのミュージアムを紹介します。

② 美術館:リヨン美術館(Musée des Beaux-Arts)——フランス第2位の規模

彫刻と絵画が並ぶ美術館の展示室(イメージ)
写真:Pexels

テロー広場に面した17世紀の旧修道院を利用したリヨン美術館は、所蔵作品数・展示面積ともにルーヴル美術館に次ぐフランス第2位の規模を誇ります。70以上の展示室、7,000㎡の展示スペースに、古代エジプト・ギリシャ・ローマの古美術から、15〜20世紀のヨーロッパ絵画(モネ、ゴーギャン、ピカソなど)、彫刻、装飾美術、貨幣コレクションまで、7万点以上を収蔵しています。

内部の中庭は彫刻が置かれた静かな回廊になっており、鑑賞の合間に休憩するのにも最適です。西洋美術を体系的に見たい人には、パリに行かずともここでかなりの満足感が得られるでしょう。

リヨン美術館
住所:20 Place des Terreaux, 69001 Lyon
開館時間:水〜月 10h〜18h(金曜は10h30〜18h)、火曜・一部祝日休館
入館料:常設展 8€/特別展 12€(18歳未満無料)
アクセス:メトロA線「Hôtel de Ville」駅から徒歩約2分
公式サイトmba-lyon.fr

③ 映画発祥の地:リュミエール研究所(Institut Lumière)

アンティークの映写機とフィルムリール(イメージ)
写真:Pexels

映画の歴史に少しでも興味があるなら、リュミエール研究所(Institut Lumière)は絶対に外せません。1895年、リヨンでオーギュストとルイのリュミエール兄弟が世界初の映画上映を行ったことは、映画史における記念碑的な出来事として知られています。

研究所は、リュミエール家が実際に暮らした邸宅(アール・ヌーヴォー様式)を利用したミュージアムで、初期のシネマトグラフ(撮影・映写兼用の装置)や世界初期のカラー写真、当時の貴重な資料が展示されています。敷地内の「ハンガー・デュ・プルミエ・フィルム(第一作の格納庫)」は現在、名作やレア作品を上映する映画館として運営されており、映画好きならここで1本鑑賞するのもおすすめです。

リュミエール研究所(博物館)
住所:25 Rue du Premier Film, 69008 Lyon
開館時間:火〜日 10h〜18h30(月曜休館)
入館料:一般9.5€/学割・シニア等7.5€/7歳未満無料
アクセス:メトロD線「Monplaisir Lumière」駅から徒歩約3分
公式サイトinstitut-lumiere.org

④ 未来的な建築:コンフリュエンス博物館(Musée des Confluences)

近未来的な建築の博物館(イメージ)
写真:Pexels

ソーヌ川とローヌ川が合流する「コンフリュエンス(合流点)」地区に建つ、巨大なガラスと鉄骨の彫刻のような建物が印象的なコンフリュエンス博物館。自然史・人類学・科学をテーマにした総合博物館で、恐竜の化石から世界各地の文化人類学的展示まで、幅広いコレクションを扱っています。

建物自体がリヨンの新しいランドマークとして有名で、写真映えするスポットとしても人気です。毎月第1木曜日は22時まで夜間開館しているため、ライトアップされた建物を楽しみたいならその日を狙うのもおすすめです。

コンフリュエンス博物館
住所:86 Quai Perrache, 69002 Lyon
開館時間:火〜日 10h30〜18h30(月曜休館)、毎月第1木曜は22hまで
入館料:一般12€/学割7€/18歳未満無料
アクセス:トラムT1「Musée des Confluences」駅から徒歩すぐ
公式サイトmuseedesconfluences.fr

⑤ 現代アート:リヨン現代美術館(MAC LYON)

現代美術の展示室(イメージ)
写真:Pexels

テット・ドール公園に隣接する「シテ・アンテルナショナル」内にあるリヨン現代美術館(macLYON)は、常設コレクションを持たず、常に入れ替わる企画展でその時々の現代アートシーンを紹介するスタイルが特徴です。国内外の現代アーティストによる意欲的な展示が多く、伝統的な美術館とは違う刺激を求める人におすすめです。

公園を散歩したあとに立ち寄るのにちょうど良い立地で、周辺には他にもギャラリーが点在しています。

ビエンナーレ・ド・リヨン完全ガイド
ビエンナーレ・ド・リヨン完全ガイド|隔年開催の現代美術と舞踊の国際芸術祭 1991年から続くリヨンの国際芸術祭、ビエンナーレ・ド・リヨンの完全ガイド。現代美術(偶数年)と舞踊(奇数年)が隔年で交代する仕組み、2026年第18回「ある夢から別の夢へ」の会期・会場・テーマ、新会場レ・グランド・ロコ、チケット情報まで解説します。

リヨン現代美術館(MAC LYON)
住所:Cité Internationale, 81 Quai Charles de Gaulle, 69006 Lyon
開館時間:水〜日 11h〜18h(月・火休館)
入館料:8€または4€(展示による)、18歳未満・学生・求職者は無料
アクセス:バスC1・C5・C23番「Cité Internationale」下車すぐ
公式サイトmac-lyon.com

⑥ 記憶を伝える場所:レジスタンス・強制収容史料センター(CHRD)

第二次世界大戦下のリヨンは、対独レジスタンス運動の重要拠点であり、「レジスタンスの首都」とも呼ばれました。CHRD(Centre d'Histoire de la Résistance et de la Déportation)は、その歴史を伝える資料館です。

建物自体が、当時ナチス親衛隊(ゲシュタポ)の拠点として使われていたという重い背景を持ちます。館内では、占領下のリヨン市民の暮らし、レジスタンス運動、強制収容の実態などが、当時の資料・証言・写真を通して伝えられています。エンターテインメント性のある観光スポットではありませんが、ヨーロッパの近代史を理解する上で非常に重要な場所です。

古い手紙と写真の資料(イメージ)
写真:Pexels

CHRD(レジスタンス・強制収容史料センター)
住所:14 Avenue Berthelot, 69007 Lyon
開館時間:水〜日 10h〜18h(毎月第1水曜は11h開館)、月・火休館
入館料:一般6€/18〜25歳3€/18歳未満無料
アクセス:トラムT2「Centre Berthelot」駅から徒歩すぐ
公式サイトchrd.lyon.fr

⑦ ほかにも訪れたいミュージアム

ガダーニュ美術館(Musées Gadagne) はヴィユー・リヨンにあり、リヨンの都市史と操り人形の博物館が同居するユニークな施設です。ヴィユー・リヨン観光と合わせて訪れるのがおすすめです。詳しくはヴィユー・リヨン完全ガイドの記事で紹介しています。

織物・装飾美術館(Musée des Tissus et des Arts Décoratifs) は、世界屈指の織物コレクションでカニュ(絹織り職人)の技術を伝える博物館ですが、改修工事のため2029年まで全面休館中です(一部施設が2026年に部分再開予定)。クロワ・ルースで絹の歴史に触れたい場合は、マイソン・デ・カニュやクロワ・ルース完全ガイドを参照してください。

アクセスと観光のヒント

共通の注意点:多くのミュージアムが月曜(一部火曜)定休です。訪問日を決める際は必ず事前に開館日を確認しましょう。

おすすめの組み合わせ例:

  • 美術館好きなら → リヨン美術館+MAC LYON(現代アートとの対比が楽しめる)
  • 映画・カルチャー好きなら → リュミエール研究所+併設シネマで1本鑑賞
  • 建築・写真好きなら → コンフリュエンス博物館(外観だけでも一見の価値あり)
  • 歴史を深く知りたいなら → CHRD+ガダーニュ美術館

所要時間:1館あたり1.5〜2時間が目安。1日に3館以上まわるのは駆け足になるため、2館程度に絞るのがおすすめです。

よくある質問

リヨン・シティ・カードは買う価値がありますか?

複数のミュージアムを訪れる予定があり、かつメトロ・バスも使う場合はお得です。1〜2館だけの予定なら個別に入館料を払う方が安く済む場合もあるので、旅程に応じて判断してください。

子ども連れでも楽しめるミュージアムはどこですか?

コンフリュエンス博物館は自然史・科学系の展示が多く、子どもも楽しみやすい構成です。リュミエール研究所も、映写機の仕組みなど視覚的に楽しめる展示があります。

CHRDは重い内容ですか?

はい、第二次世界大戦下のレジスタンスと強制収容という重いテーマを扱う資料館です。エンターテインメントとしての観光地ではなく、歴史を学ぶ場として訪れることをおすすめします。

写真撮影はできますか?

多くのミュージアムでフラッシュなしの撮影が許可されていますが、特別展では撮影禁止の場合もあります。各館の入口表示を確認してください。

月曜に開いているミュージアムはありますか?

コンフリュエンス博物館とリュミエール研究所は火曜休館なので月曜に訪問可能です。リヨン美術館とMAC LYONは月曜休館のため注意してください。

まとめ

リヨンのミュージアムは、フランス屈指の美術コレクションから映画発祥の歴史、未来的建築、重い戦争の記憶まで、驚くほど幅広いテーマをカバーしています。

  • 芸術重視なら:リヨン美術館(フランス第2位の規模)
  • 映画好きなら:リュミエール研究所(映画発祥の地)
  • 建築・写真好きなら:コンフリュエンス博物館
  • 歴史を深く知りたいなら:CHRD

観光の合間にぜひ1館、足を運んでみてください。

フェスティバル・リュミエール完全ガイド
フェスティバル・リュミエール完全ガイド|リヨンの映画祭を楽しむ方法 映画発祥の地リヨンで毎年10月に開催される国際映画祭「フェスティバル・リュミエール」の完全ガイド。5,000人規模の開幕式、プリ・リュミエール(功労賞)、巨匠によるレッスン・ド・シネマ、業界向けMIFC、修復クラシック映画の上映、会場やチケットの買い方まで解説。12月の「光の祭典」とは異なるイベントです。

ヴィユー・リヨン完全ガイド
ヴィユー・リヨン完全ガイド|世界遺産の旧市街とトラブールの歩き方 リヨンの世界遺産「ヴィユー・リヨン」完全ガイド。トラブール(秘密の路地)の歩き方、フニキュレール(フィセル)でフルヴィエール大聖堂へのアクセス、カテドラル・サン=ジャンの天文時計、ガダーニュ美術館まで、旧市街を丸一日楽しむための情報をまとめました。

クロワ・ルース完全ガイド
クロワ・ルース完全ガイド|絹の丘とカニュの反乱をめぐる旅 リヨンの「働く丘」クロワ・ルース完全ガイド。絹産業の歴史、カニュ(絹織り職人)の暮らし、ジャカード織機の発明、1831年カニュの反乱、トラブールとクール・デ・ヴォラス、ミュール・デ・カニュ、マイソン・デ・カニュ、朝市まで、ヴィユー・リヨンとは違うリヨンのもう一つの顔を紹介します。

初めてのリヨン観光!絶対に外せない名所
初めてのリヨン観光!絶対に外せない名所と見どころを徹底解説 初めてリヨンを訪れるなら押さえたい名所、街歩きの順番、所要時間の目安、グルメ、モデルコースをまとめた観光ガイドです。

リヨン観光モデルコース
リヨン観光モデルコース|1日・2日・3日で楽しむおすすめプラン リヨンを1日・2日・3日で楽しむ観光モデルコース。旧市街、フルヴィエール、ブション、クロワ・ルース、川沿い散歩まで、初めての旅行に使いやすい回り方を紹介します。

リヨン完全ガイド
【2026】フランス・リヨン完全ガイド|歴史・観光・グルメ フランス南東部の都市リヨンをじっくり知るための日本語ガイド。世界遺産の旧市街、フルヴィエール、クロワ・ルース、2つの川、食文化、街歩きの楽しみ方を詳しく紹介します。

参考・公式情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次