リヨンのおすすめレストラン10選|美食の都の名店ガイド

リヨンに暮らしていた頃、私の楽しみの一つは、新しいレストランを見つけることでした。街の記憶を思い返すと、広場や川の景色と同じくらい、食事の場面が浮かびます。日本から来る友人にも、散歩の途中にしっかり食事を楽しむ時間を取ってほしいと思っています。

リヨンの食といえば伝統食堂「ブション」が有名ですが、それだけではありません。ミシュランの星付きから、革新的なモダンフレンチ、気軽に楽しめるビストロまで、選択肢の幅広さこそがこの街の魅力です。

このガイドは、各店の公式情報や専門ガイドをもとに、料理の方向性、予算、立地から比較できるようにまとめたものです。星付きの店からブションまで、食べたいものと過ごしたい時間で選んでください。10軒の紹介のうち、クリナ・オルチュスは閉店の告知があった店として記録を残しています。現在の食事先の候補からは外しています。

この記事を書いた人:
フランス人。リヨンに10年以上暮らし、2022年から日本在住。

目次

情報確認日:2026年8月22日
レストランの星・営業時間・コース料金・予約方法は変わりやすい情報です。この記事では候補選びの参考になる特徴を整理し、予約前には各店公式サイトまたはミシュランガイドで最新情報を確認してください。

リヨンが「美食の都」と呼ばれる理由

リヨンが美食で知られるのには、はっきりした理由があります。街の周りには、ブレス産の鶏(AOC認定)、シャロレー牛、ドンブ地方の川魚やカエル、近郊の野菜や果物、そしてボジョレーとローヌという2大ワイン産地が広がっています。最高の食材が、すべて街のすぐそばにそろうのです。

さらにリヨンには、20世紀前半に家庭料理を芸術の域まで高めた女性料理人「メール・リヨネーズ」の伝統があり、その流れは「料理の帝王」ポール・ボキューズへと受け継がれました。今日のリヨンには、その伝統を守る星付きの名店と、世界各国の感性を取り入れた新しい世代の店が共存しています。

つまりリヨンでは、伝統と革新の両方を高いレベルで味わえる。これが、ほかの街にはない大きな魅力です。

このリストの使い方(予算・予約・ランチのコツ)

10軒を紹介する前に、リヨンのレストランを楽しむための前提を整理しておきましょう。

  • 予算は店によって大きく異なります:星付きのディナーは1人150ユーロを超えることもありますが、ビブグルマンやブションなら30〜45ユーロほどで楽しめます
  • 星付きを試すなら「平日のランチ」が狙い目:多くの星付きレストランは、夜より大幅に手頃なランチコースを用意しています。憧れの一軒も、昼なら現実的な予算で体験できます
  • 人気店は予約が必須:特に星付きやビブグルマンは数日〜数週間前に埋まります。公式サイトや予約サイト(TheFork など)から早めに確保しましょう
  • 服装はスマートカジュアルが安心:星付きでは短パン・ビーチサンダルは避け、襟付きシャツなど少しきれいめにすると安心です
  • 食事はゆっくり進みます:フランスのディナーは19時半〜20時開始が一般的で、コースに2〜3時間かけます。時間に余裕を持って予約しましょう

価格・営業時間・定休日は変わりやすいため、本記事の数値はあくまで目安です。訪問前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

1. ラ・メール・ブラジエ(La Mère Brazier)|伝説のメール・リヨネーズ

ラ・メール・ブラジエの一皿(手長海老とソース)
写真:La Mère Brazier 公式サイト

リヨンの食の歴史を語るうえで外せないのが、ラ・メール・ブラジエです。創業者ウジェニー・ブラジエは、1933年にリヨンとコル・ド・ラ・リュエールの二つの店で、それぞれミシュラン3つ星を獲得しました。リヨンの店は2008年にマチュー・ヴィアネが引き継ぎました。詳しくは店の公式ヒストリーで紹介されています。

名物は、トリュフを皮の下に忍ばせた「ブレス産プーラルド(若鶏)のドゥミ・ドゥイユ」や、オマール、川カマスのすり身を使った繊細な一皿。リヨンの伝統を土台にしながら、現代の技術で磨き上げた料理が味わえます。プレスキル北部の落ち着いた一角にあり、特別な日のごちそうにふさわしい一軒です。

店舗情報

  • エリア:リヨン1区(プレスキル)/12 Rue Royale
  • 最寄り:メトロC線 Croix-Paquet
  • 料理・評価:現代フランス料理/ミシュラン2つ星
  • 予算の目安:ランチ98ユーロ(祝日を除く昼のみ)、Menu Eugénie Brazier 195ユーロ、Menu Dégustation 250ユーロ。飲み物や追加料金は別途。公式メニューを2026年9月9日に確認。予約時に最新の価格をご確認ください。
  • 予約:公式サイトの予約案内または電話から。公式案内では月〜金の昼・夜に営業し、土・日は休業です(2026年9月9日確認)。希望日の営業と空席は予約画面で確認してください。

2. タカオ・タカノ(Takao Takano)|仏日が出会う2つ星の精緻

日本人旅行者にぜひ知ってほしいのが、日本人シェフ高野卓央氏の名を冠したタカオ・タカノです。フランス料理をベースに、引き算の美学ともいえる繊細で澄んだ味わいを追求し、2013年の開業以来、高い評価を受け続けてミシュラン2つ星を獲得しています。

派手さよりも素材の核心を見せる料理は、日本人の味覚にも深く響くはず。リヨンの美食シーンの中心、6区にあります。平日昼の「Envie」ランチコースは比較的手の届きやすい価格設定で、2つ星の世界を体験する入口としておすすめです。

店舗情報

  • エリア:リヨン6区/33 Rue Malesherbes
  • 最寄り:メトロA線 Foch
  • 料理・評価:現代フランス料理(仏日)/ミシュラン2つ星
  • 予算の目安:昼のコース 約50ユーロ〜/夜 約120〜220ユーロ(要確認)
  • 定休日:日・月(要確認)
  • 予約:公式サイト・電話から必須

タカオ・タカノのように、リヨンには日本人シェフが腕をふるう名店が他にもあります。日本人シェフのレストランだけを集めた記事もどうぞ。

リヨンの日本人シェフのレストラン5選
リヨンの日本人シェフのレストラン5選|美食の都で輝く和の感性 美食の都リヨンで活躍する日本人シェフのレストラン5選。ミシュラン2つ星のタカオ・タカノ、1つ星のオ・キャトーズ・フェヴリエ、女性シェフのサクシフラージュ、気軽なフレール、本格和食のTOMOまで。和とフレンチが出会う名店を日本人旅行者向けに紹介します。

3. ル・ヌヴィエム・アール(Le Neuvième Art)|革新の2つ星

ル・ヌヴィエム・アールの繊細なデザートの一皿
写真:Le Neuvième Art 公式サイト

「第九の芸術」を意味する店名のとおり、料理を芸術として突き詰めるのがル・ヌヴィエム・アールです。シェフのクリストフ・ルールは「フランス最優秀職人(M.O.F.)」の称号を持ち、開業からほどなくして2つ星を獲得した実力派。プレミアムな食材を、計算され尽くした美しい一皿に仕上げます。

落ち着いた高級住宅街ブロトー(6区)にあり、記念日や特別な食事にぴったり。完成度の高いモダンガストロノミーを味わいたい人に。

店舗情報

  • エリア:リヨン6区(ブロトー)/173 Rue Cuvier
  • 最寄り:メトロB線 Brotteaux
  • 料理・評価:現代フランス料理/ミシュラン2つ星
  • 予算の目安:昼 約60ユーロ〜/夜 約150ユーロ〜(要確認)
  • 予約:公式サイトから必須

4. テットドワ(Têtedoie)|フルヴィエールの丘から街を見下ろす

テットドワの一皿(リヨンの眺望を背景に)
写真:Têtedoie 公式サイト

観光と食事を両立させたいなら、フルヴィエールの丘の上に建つテットドワが理想的です。ガラス張りのモダンな建物からは、リヨンの街並みと、晴れた日にはアルプスまで見渡せる絶景が広がります。シェフのクリスチャン・テットドワはM.O.F.の称号を持ち、オマールのココット煮など、フランスの伝統に根ざした料理で知られます。

地産地消や環境への配慮を評価する「ミシュラン・グリーンスター」も獲得。観光のハイライトであるフルヴィエール訪問と組み合わせれば、忘れられない一日になります。

店舗情報

  • エリア:リヨン5区(フルヴィエールの丘)/4 Rue du Professeur Pierre Marion
  • 最寄り:メトロD線 Vieux Lyon →フニキュラー Minimes
  • 料理・評価:フランス料理/ミシュラン1つ星+グリーンスター
  • 予算の目安:昼 約55ユーロ〜/夜 約110ユーロ〜(要確認)
  • 予約:公式サイトから必須

5. レ・ロージュ(Les Loges)|ヴュー・リヨンのルネサンス中庭で

クール・デ・ロージュのルネサンス様式の中庭で食事を楽しむ様子
写真:Cour des Loges

世界遺産の旧市街ヴュー・リヨンのただ中、ルネサンス様式の壮麗な中庭をもつ館「クール・デ・ロージュ」にある星付きレストランがレ・ロージュです。シェフのアンソニー・ボネが地元食材を生かした料理を手がけ、940種類を超えるワインリストを誇ります。

歴史的な石造りの空間で味わうディナーは、それ自体が旅の記憶になる体験。旧市街の散策とあわせて訪れたい、雰囲気の特別な一軒です。

店舗情報

  • エリア:リヨン5区(ヴュー・リヨン)/6 Rue du Bœuf
  • 最寄り:メトロD線 Vieux Lyon
  • 料理・評価:フランス料理/ミシュラン1つ星
  • 予算の目安:夜のコース 約100ユーロ〜(要確認)
  • 予約:公式サイトから必須

6. プレリアル(PRaiRiaL)|地産地消・サステナブルの旗手

これからのリヨンを象徴するのが、シェフ、ガエタン・ジャンティル率いるプレリアルです。オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方の食材を中心に、野菜を主役にした繊細で美しい料理を提案。環境に配慮した姿勢も高く評価され、ミシュラン1つ星とグリーンスターを獲得しています。

2026年にプレスキル北部からコンフリュエンス地区へ移転したため、古い住所で検索しないよう注意しましょう。「軽やかで現代的なフレンチ」を求める人にぴったりの一軒です。

店舗情報

  • エリア:リヨン2区(コンフリュエンス)/1 Place Hubert-Mounier
  • 最寄り:トラムT1「Hôtel de Région – Montrochet」方面(訪問前にルート確認)
  • 料理・評価:現代フランス料理(野菜中心)/ミシュラン1つ星・グリーンスター
  • 予算の目安:昼 約40ユーロ〜/夜のコース(要確認)
  • 予約:公式サイトから推奨

7. クリナ・オルチュス(Culina Hortus)|閉店告知あり・過去の紹介

クリナ・オルチュスの100%ベジタリアンのデザート
写真:Culina Hortus 公式サイト

クリナ・オルチュスは、ミシュランガイドに掲載されたベジタリアンのガストロノミーレストランです。星付きの店ではありません。ここには、以前紹介していた店の記録として情報を残しています。

営業について(2026年9月9日確認):現地メディアが伝えた店舗の発表では、最終営業日は2026年8月29日とされています。その日付を過ぎているため、このガイドでは現在の来店候補から外しています。公式サイトには従来の案内が残っているため、営業の再開などを判断する場合は店舗への直接確認が必要です。

過去の掲載情報
所在地:38 Rue de l’Arbre Sec, Lyon 1er。以前の価格や予約案内は、現在の営業を示すものではないため掲載を取り下げました。

8. ミラフローレス(Miraflores)|フランス×ペルーの旅する一皿

ひと味違う体験を求めるなら、ペルー出身のシェフ、カルロス・カミーノが手がけるミラフローレスへ。フランスの技法とペルーの食文化が出会う、唯一無二のガストロノミーで、ミシュラン1つ星を獲得しています。見たことのない食材や驚きの組み合わせが、食卓を旅へと変えてくれます。

ディナーのみの営業なので、夜の特別な食事として計画を。6区ブロトー地区にあります。

店舗情報

  • エリア:リヨン6区(ブロトー)/112-114 Boulevard des Belges
  • 最寄り:メトロB線 Brotteaux
  • 料理・評価:フランス×ペルー料理/ミシュラン1つ星
  • 予算の目安:夜のコース(要確認)
  • 定休日:日・月(夜のみ営業/要確認)
  • 予約:公式サイトから必須

9. ソフ・アンプレヴュ(Sauf Imprévu)|気軽に楽しむビブグルマン

「星付きは敷居が高い」という人にこそおすすめなのが、ソフ・アンプレヴュです。ミシュランがコストパフォーマンスを評価する「ビブグルマン」に選ぶビストロで、迎えるのは三つ星シェフ、ピエール・ガニェールの息子フェリックス・ガニェール。市場で仕入れた旬の食材を生かした、肩肘張らない料理が楽しめます。

隣には同名のワインバーも。気取らない雰囲気で、確かな味を手頃に味わいたい夜にぴったりの一軒です。

店舗情報

  • エリア:リヨン6区/40 Rue Pierre-Corneille
  • 最寄り:メトロA線 Foch/B線 Brotteaux
  • 料理・評価:ビストロノミー/ミシュラン・ビブグルマン
  • 予算の目安:約30〜45ユーロ(要確認)
  • 予約:推奨

10. ダニエル・エ・ドニーズ(Daniel et Denise)|王道ブションの実力

ダニエル・エ・ドニーズの伝統的なブションの店内
写真:Daniel et Denise(撮影:Julien Bouvier)

最後は、リヨンの食の原点であるブションから一軒。ダニエル・エ・ドニーズは、M.O.F.シェフ、ジョゼフ・ヴィオラが率いる名店で、「パテ・アン・クルート世界選手権」優勝の看板料理で知られます。クネル、伝統的な前菜、しっかりした肉料理まで、リヨン郷土料理の実力を存分に味わえます。

星付きの緊張感とは違う、温かくにぎやかな雰囲気もブションならでは。リヨンらしさを一皿で感じたいなら、迷わずここへ。

店舗情報

  • エリア:リヨン3区/156 Rue de Créqui(Créqui店)
  • 最寄り:メトロB線 Place Guichard
  • 料理・評価:リヨン郷土料理(ブション)
  • 予算の目安:約30〜45ユーロ(要確認)
  • 予約:強くおすすめ

ブションをもっと深く知りたい方は、定番料理や注文のコツをまとめた以下の記事もどうぞ。

ブション完全ガイド:定番料理とおすすめ店
リヨンの伝統料理「ブション」を体験!おすすめ店と楽しみ方 リヨンの食文化を味わうなら外せない伝統食堂ブション。おすすめ店、定番料理、予約のコツ、日本人が知っておきたい楽しみ方をまとめました。

予約・マナーで知っておきたいこと(日本人向け)

せっかくの食事を気持ちよく楽しむために、知っておくと安心なポイントをまとめました。

  • 予約は早めに:星付き・ビブグルマンは公式サイトや予約サイト(TheFork など)から、可能なら数日〜数週間前に
  • 時間に余裕を:ディナーは19時半〜20時開始が一般的。コースは2〜3時間かけてゆっくり進みます
  • 服装はきれいめに:星付きではスマートカジュアルが無難。短パン・サンダルは避けましょう
  • 水は無料で頼める:「une carafe d'eau(ユヌ・カラフ・ドー)」と頼めば水道水のカラフを無料で出してもらえます
  • チップは義務ではない:サービス料は料金に含まれます。満足したら数ユーロ置く程度でOK
  • アレルギー・苦手な食材は予約時に伝える:「Je suis allergique à…(〜にアレルギーがあります)」。ベジタリアン対応は店によるため事前確認を
  • 写真は控えめに:撮影する場合はフラッシュを避け、周囲に配慮しましょう

水やチップなど、レストランでの基本マナーはブションの記事でも詳しく触れています。

ブションの楽しみ方とマナーはこちら
リヨンの伝統料理「ブション」を体験!おすすめ店と楽しみ方 リヨンの食文化を味わうなら外せない伝統食堂ブション。おすすめ店、定番料理、予約のコツ、日本人が知っておきたい楽しみ方をまとめました。

よくある質問

予約なしでも入れますか?

ビストロやブションなら入れることもありますが、星付き・ビブグルマンや週末の夜は予約が基本です。行きたい店が決まっているなら、必ず予約しておきましょう。

星付きは高すぎて手が出ません。安く楽しむ方法は?

平日ランチのコースを狙いましょう。多くの星付きレストランが、夜より大幅に手頃な昼のコースを用意しています。憧れの一軒も、ランチなら現実的な予算で体験できます。

ベジタリアン・ヴィーガンでも楽しめますか?

ベジタリアン対応は店とメニューによって異なるため、予約時に具体的に確認してください。クリナ・オルチュスは閉店の告知があるため、現在の候補から外しています。

ドレスコードはありますか?

星付きではスマートカジュアル(襟付きシャツなどきれいめの服装)が無難です。ビストロやブションはもっとカジュアルでも問題ありません。

子連れでも大丈夫ですか?

ブションやビストロは比較的入りやすいですが、星付きのディナーは静かで大人向けの雰囲気のことが多いです。子連れの場合はランチや、予約時に相談するのがおすすめです。

まとめ:リヨンで「特別な一食」を

リヨンには、伝説のメール・リヨネーズから、2つ星のモダンフレンチ、世界の感性を取り入れた革新派、そして温かいブションまで、幅広い名店がそろっています。すべてを回る必要はありません。旅の中で1〜2回、自分にとっての「特別な一食」を選ぶ——それだけで、リヨン旅行の記憶はぐっと深くなります。

予約前には、コースの内容、所要時間、苦手な食材への対応を確認しておきましょう。郷土料理を選びたい方には、私が友人に勧めたいクネルやサラダ・リヨネーズも紹介した名物料理のガイドが役立ちます。

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参考・公式情報

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